
新党「中道改革連合」の旗揚げが、米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設反対を掲げて同県内で共闘する「オール沖縄」勢力に不協和音を生じさせた。新党結党は25日投開票の名護市長選と同時期となり、オール沖縄が推す候補者の選挙戦に影を落とした。県内政局の天王山となる今年後半の知事選にも響きそうだ。
「辺野古をストップするのは現実的ではない」。立憲民主党出身の中道の安住淳・共同幹事長は19日、新党の綱領発表の記者会見で辺野古移設への見解を問われ、こう明言した。
公明党との新党結成に際し、立民は安全保障関連法を「合憲」とするなど、従来の立場を大きく転換。19日の安住氏の発言も、昨年まで政権与党だった公明と足並みをそろえるため、移設「中止」の立場を修正する内容だった。
この発言はオール沖縄を激しく揺さぶった。沖縄では18日に名護市長選が告示されたばかり。自民、公明両党などが推薦する現職とオール沖縄が推す新人による事実上の一騎打ちだったが、共闘の一角をなす立民が旗印の辺野古移設反対を否定する形となり、オール沖縄は混乱した。
立民沖縄県連は党本部に直ちに抗議し、発言を撤回するよう要求。安住氏は「言葉足らずだった」と釈明した。しかし打撃は大きく、選挙戦さなかのドタバタ劇に陣営関係者は「有権者を失望させ、大きなダメージになった」と漏らした。
発言の余波は27日公示の衆院選にも広がる。中道は沖縄2区で前職を公認。だが、社民党県連合の一部は「中道は沖縄に寄り添っていない」(関係者)として旧民主党時代の元職を擁立した。リベラル地盤の同区は「オール沖縄分裂」の様相だ。
辺野古移設は着工から7年が経過し、既成事実化が着々と進む。県民の一部には「諦めムード」も漂い、2014年に結成されたオール沖縄は勢いを失いつつある。
そうした中、9月の任期満了に伴う知事選にはオール沖縄が推す玉城デニー知事が3選を目指して出馬し、自民などが支援する候補と激突すると目されている。オール沖縄関係者は「本土の政治家は心ない一言で混乱に陥ることを分かっていない」と嘆いた。
【時事通信社】
〔写真説明〕新党「中道改革連合」の綱領を発表する安住淳共同幹事長=19日、国会内
2026年01月26日 07時02分