国管理の相続土地、売却促進へ=随意契約で手続き簡略化―所有者不明対策・財務省



財務省が、所有者が分からない「所有者不明土地」となることを防ぐために国が引き取った「相続土地」の売却手続きを簡略化する方針を固めたことが26日、分かった。売却予定価格が100万円以下の場合は一般競争入札ではなく、随意契約での処分を可能とする。

財務省が27日に開催する財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会に方針案を提示する。国が管理する相続土地は急増しており、売却を促進することで、地域コミュニティーで有効に活用されるようにする。

土地を相続したものの管理や税金などの負担から手放したいとのニーズが高まる中、政府は2023年4月に相続土地国庫帰属法を施行。建築物が存在せず、権利関係に争いがないなどの条件を満たせば、10年分の土地管理費用(原則20万円)を納めると、土地所有権を国に移せるようになった。土地が放置されて所有者不明となり、荒れ放題となって近隣に悪影響が及ぶのを防ぐのが狙い。所有者と連絡が取れず、区画整理など公共事業の障害とならないようにもする。

法施行後、国に帰属された土地は昨年末時点で2300件を突破。宅地などは財務省、農地や森林は農林水産省が管理している。財務省管理の約1400件の土地は、虫食いや狭小地など条件が悪いものが多く、これまで売却実績はない。全国の財務局が定期的に土地を維持・管理する負担も大きくなっていた。

このため、予定価格が100万円以下だったり、隣接する土地の所有者が購入したりする場合には、一般競争入札ではなく、随意契約での売却を可能にする方針。また、国が取得してから売却まで1年超が必要とされる手続き期間を短縮するため、土地価格の鑑定も財務局職員が評価する簡易的な手法に変更。測量や境界確定協議などを実施せずに現状のまま売却できるようにもする。

売却促進に向けては、財務局や農政局、地方整備局などで構成する全国10ある土地政策推進連携協議会を通じ、土地利用のニーズを発掘。民間の不動産情報サイトへの掲載など情報発信も強化する方針だ。

【時事通信社】 〔写真説明〕財務省=東京都千代田区

2026年02月27日 07時52分


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