国論二分、高市首相二段構え=「防衛力」「国旗損壊」まず注力―長期政権見据え改憲控えめ・代表質問



衆参両院本会議での3日間の各党代表質問が終わった。高市早苗首相は防衛力強化や「国旗損壊罪」創設などについて力を入れる意向を表明。一方で憲法改正や皇室典範改正では野党との合意形成に一定の配慮を示した。長期政権を見据え、早期に「成果」を見込める分野とじっくり取り組むテーマに分けて「国論を二分する政策」に当たる二段構えの戦略が見え隠れする。

「国家安全保障の最終的な担保である防衛力をもって、わが国の主権と国民を守り抜かなければいけない」。首相は26日の参院本会議で、公明党の竹谷とし子代表が「戦争を前提とした準備より戦争にならないようにする努力」を求めたのに対してこう答えた。

高市政権は年内に国家安保戦略など関連3文書を改め、防衛力の抜本的な強化を打ち出す。衆院選後、自民党は殺傷能力のある武器の輸出を原則的に認める防衛装備移転三原則の運用指針見直しの提言をまとめるなど動きを活発化させている。

首相は日の丸を傷つけたり汚したりする行為を罰する国旗損壊罪の必要性も強調。施政方針演説では触れなかったが、24日の衆院本会議で「過去、私自身が刑法改正案を起草し、国会に提出した」と振り返り、与党と連携して進めると明言した。

スパイ防止法制定、「国家情報局」設置も訴えた。旧姓使用の法制化については「社会生活で不便や不利益を感じる方を減らせる」と主張した。

ただ、持論の憲法改正では踏み込まなかった。26日の参院本会議で立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長が「憲法尊重擁護義務」を負う首相に認識を問うたが、「(国会の)憲法審査会や各党における議論を尊重する。内容や進め方について具体的に語ることは控えたい」と述べるにとどめた。

昨年11月の国会答弁で「内閣が改憲原案を国会に提出することは可能」と前のめりの構えを見せたが、今回は合意重視の姿勢に終始した。

安定的な皇位継承を図る皇室典範改正でも「議論が進展し、速やかにまとまることを期待する」と語った程度。現状で自ら指導力を発揮する様子は見られない。

こうした温度差に関し、自民の三役経験者は「実利優先だ」と指摘。丁寧な対応を求められる改憲などよりも、行政のトップとして主導できる課題で早めに結果を出す思惑だとの見方を示した。

次の国政選挙は2028年夏の参院選となる可能性がある。自民関係者は「長期政権が見えたので、大きなスケジュール観で重要案件を整理した」とみる。

【時事通信社】 〔写真説明〕参院本会議で答弁する高市早苗首相=26日、国会内 〔写真説明〕参院本会議で代表質問に臨む公明党の竹谷とし子代表(手前)。奥は高市早苗首相=26日、国会内 〔写真説明〕参院本会議で代表質問に臨む立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長=26日午後、国会内

2026年02月27日 07時03分


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