
超党派と銘打った「社会保障国民会議」は、中道改革連合と国民民主党の協力を得られず、実体が伴わないままの船出となった。政権側は途中参加を受け入れる方針。しかし、野党側には高市早苗首相の「本気度」に対する不信感が根強く、合意形成の機運は乏しい。
「与野党の垣根を越え、思い切ってやろう」。26日夕、首相は国民会議の初会合でこう強調したが、野党側で姿を見せたのはチームみらいの安野貴博党首らのみ。10分程度で終了した。
政権側は26日午前の段階でも、中道や国民民主を念頭に「粘り強く(参加を)呼び掛ける」(尾崎正直官房副長官)との立場を強調。ただ、言葉とは裏腹に与野党間で目立った往来は見られなかった。
「だらだら待つよりも早く始める。『船が出ますよ』ということだ」。政府高官は事実上の「見切り発車」だったことを認める。
国民会議は、衆参両院とも少数与党の状況下で「連立拡大など野党の協力を引き出す布石」(自民関係者)として本格的に浮上した。しかし、先の衆院選で自民は「3分の2」超の議席を獲得。参院で法案を否決されても、衆院で再可決できるようになり、野党の協力は必須ではなくなった。
中道や国民民主に参加を求める理由について、政府関係者は「みらいだけで『国民会議』とは言いづらい」と本音を明かす。
そのみらいは、衆院選で消費税減税を掲げなかった。これを踏まえ、中道幹部は政権側の意図について「国民会議を減税見送りの口実にするのだろう」と勘ぐる。
一方、給付付き税額控除の議論優先を訴える国民民主幹部は「うちが反対したから減税できなかったと言われるのは困る」と指摘。結局、中道と国民民主は26日夕の初会合直前に相次ぎ欠席を表明した。
初会合に先立つ参院代表質問では、首相がいったん立憲民主党に参加を呼び掛けたと答弁。誤りだったと訂正する場面もあった。「雑な対応だ。本気度を感じない」。立民関係者は、ちぐはぐな首相の態度をこう断じた。
【時事通信社】
〔写真説明〕社会保障国民会議の初会合で発言する高市早苗首相(右から2人目)=26日午後、首相官邸
2026年02月27日 07時04分