女性国連総長「信頼性に重要」=今年選出に期待―フィンランド大使・国際女性デー



【ニューヨーク時事】国連で、初の女性トップ誕生への期待が高まっている。秋ごろにグテレス事務総長の後任が選出される予定で、総会と安全保障理事会の両議長は女性の推薦を奨励。有力候補にミチェル・バチェレ元チリ大統領の名が挙がっている。「男女平等先進国」フィンランドのエリナ・カルック国連大使は時事通信のインタビューに応じ、存在感や結束が揺らぐ国連の「組織の信頼性にとって重要な論点だ」と話した。

カルック氏は、80年に及ぶ国連の歴史で「世界人口の半分は女性であるにもかかわらず、事務総長が誕生していないことは、国連の信頼性に関わる」と指摘。「平和構築を力強く推進できる有能な女性候補は数多くいる」と強調した。

3月8日の国際女性デーは、国連が1975年に提唱した。カルック氏は、以降の国連のジェンダー平等に対する包括的な取り組みが「多くの変化をもたらしてきた」と評価。国連女性機関(UNウィメン)をはじめ、政策助言や教育支援といった国連の果たす役割に触れ、「これからも『変化』が十分に起きていない国々を支援できる存在であるべきだ」と語った。

より多くの女性が外交の場で活躍することの意義としては「多様な視点と経験」を挙げた。視野の幅が広がることは「国際的な課題解決のための議論に役立つ要素」と述べ、「男女両方の意見が不可欠だ」と力を込めた。

フィンランドは世界各国の男女平等度を示す世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダーギャップ指数」で、2006年の第1回以来一貫して5位以内をキープ。2025年は2位で、政治分野では閣僚ポストが「完全な男女平等」と評されている。

こうした背景の一つに「女性が早い時期に完全な政治的権利を得たことがある」と分析。フィンランドでは1906年に世界で初めて女性の被選挙権と選挙権の両方が同時に認められた。「政治の世界に入った女性が、強い決意を持って社会の変革に取り組んだ」結果が今につながっているとの見方を示した。初の女性大統領タルヤ・ハロネン氏が2000年から12年間の長期にわたって在任したことも大きな影響を与えたと述べ、ロールモデル(手本となる人)の重要性を訴えた。

カルック氏自身も、約40年の外交官生活の中で「性別の壁を感じたことはない」と語る。ただ、世界中を飛び回る外交の仕事において、「かつては、女性が家族を伴って別の国へ赴任することが難しかった」とも振り返る。現在は多くの女性が社会で活躍するようになったことで、家族帯同問題は女性だけの課題ではなくなったと説明。フィンランドでは「どこでも働ける職業に就いているのが良い配偶者というジョークもある」と笑ってみせた。

【時事通信社】 〔写真説明〕フィンランドのカルック国連大使=2月19日、ニューヨーク 〔写真説明〕国際女性デー2026

2026年03月09日 18時06分


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