
【ワシントン時事】米イスラエル両軍によるイラン攻撃を巡り、米国で無視できない政治力を持つキリスト教福音派の一部は強い支持を打ち出した。政権や軍の内部では、トランプ米大統領の岩盤支持層の一角を占める福音派の影響力を示す動きも見られる。
「全ては神の計画の一環」。米軍内の宗教問題を監視する非営利団体「軍・宗教の自由財団」には先月28日の開戦後、イラン攻撃についてこうした見解を指揮官から伝えられたとする米兵の苦情が200件以上、寄せられた。
一部福音派は、イスラエルが中心的役割を果たして中東で大戦争が起き、「ハルマゲドン(終末戦争)」に至ってイエス・キリストが再臨するという世界観を持つ。指揮官の発言は、この考え方に基づき攻撃を正当化しており、福音派の教義が米軍の一部に浸透している可能性がある。
福音派にはまた、イスラエルを守るのは神の計画を支える行いだとする「キリスト教シオニズム」と呼ばれる思想的特徴が見られる。一部福音派の牧師らは、イスラエルと鋭く対立してきたイランの指導部を狙った今回の攻撃を擁護。福音派の代表的指導者ジョン・ヘイギー師は礼拝で「イスラエルの敵に対する素晴らしい軍事的勝利を与えてくださった神と、シオン(イスラエル)の敵を打ち砕いた大統領に感謝する」とたたえた。
ホワイトハウスも福音派の意向を意識しているもようだ。政府高官は今月5日、大統領執務室で行われた福音派の牧師らとトランプ氏の祈とう会の映像をSNSに投稿。トランプ氏を宗教関係者が取り囲み、牧師が「父なる神よ、私たちの大統領にこの偉大な国を導くために必要な力を引き続きお与えください」と祈りをささげた。
会合は、福音派のテレビ伝道師ポーラ・ホワイトケイン氏の主導で実現したとされる。ホワイトハウス内に設けられている「信仰室」上級顧問の肩書を持つホワイトケイン氏は、宗教勢力を重視するトランプ政権の姿勢を象徴する存在。会合の公開には、福音派との連帯をアピールしようという意図がにじむ。
【時事通信社】
〔写真説明〕トランプ米大統領(右)と福音派テレビ伝道師のポーラ・ホワイトケイン氏=2025年7月、ワシントン(AFP時事)
2026年03月09日 18時06分