
【カイロ時事】イスラエル国会(定数120)は30日、パレスチナ人がテロ行為による殺人で有罪となった場合、原則死刑とする法案を賛成多数で可決した。地元メディアが伝えた。イスラエルでは死刑が事実上停止されてきたが、対パレスチナ強硬姿勢が一段と強まった形だ。
イスラエルで最後に死刑が執行されたのは1962年。第2次大戦中のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に関与したナチス・ドイツの親衛隊(SS)元将校アドルフ・アイヒマンが絞首刑に処された。
報道によると、適用されるのは軍事法廷で裁かれる占領地ヨルダン川西岸のパレスチナ人。原則90日以内に絞首刑を執行すると規定されている。終身刑に減刑される場合もあるが「特別な理由」が求められ、上訴はほぼできない。
一方、アラブ系を含むイスラエル人や西岸のユダヤ人入植者らを対象とする一般法廷でもテロ行為を「死刑または終身刑」とする。ただ、テロ行為の認定は「イスラエル国家を否定する意図」が条件で、事実上パレスチナ人に限定される内容だ。採決に先立ち英仏独伊4カ国は「差別的だ」と懸念を表明した。
人権団体イスラエル市民権協会が「人種隔離を深刻化させる」として最高裁に撤回を申し立てており、今後の司法判断が焦点となる。
【時事通信社】
〔写真説明〕30日、エルサレムのイスラエル国会で演説する極右政党党首のベングビール国家治安相(ロイター時事)
2026年03月31日 18時15分