【イスタンブール時事】イラン上空で米戦闘機が撃墜され、米国とイランは行方不明となっている乗員1人の捜索を競っている。一帯はザグロス山脈が通り、渓谷などの険しい地形が広がる。乗員は生存している可能性が高いとみられ、どちらが身柄を確保するかが今後の戦闘の行方を大きく左右しかねない。
イランメディアは3日午前、米軍F15戦闘機の残骸の映像や画像を公開した。米軍は撃墜を認めていないが、SNSには軍用ヘリコプター「ブラックホーク」やC130輸送機がイラン上空で低空飛行する動画が投稿されており、懸命の捜索が続いているもようだ。英紙テレグラフは、米特殊部隊がイラン領内に入ったと伝えた。
一方、再び攻撃を行わない保証や賠償金支払いを米側に求めるイランにとって、乗員拘束は米国を揺さぶる「切り札」となり得る。当局は乗員を「生け捕り」にするよう市民に要請。地元メディアによると、一部では1000億リアル(約1200万円)の報奨金が設けられたとされ、米紙ニューヨーク・タイムズは精鋭軍事組織「革命防衛隊」が南西部地域を封鎖したと伝えた。
米メディアによれば、米軍機の乗員は撃墜に備え「SERE」(生存、回避、抵抗、脱走)と呼ばれる訓練を受けている。負傷時の応急処置を自ら行い、迅速に安全な場所へ退避するとともに、全地球測位システム(GPS)や暗号化無線などで救援隊と連絡を取るすべを身に付けている。
イランでは革命直後の1979年、首都テヘランの米大使館が占拠され、多数の米国人が長期にわたり人質となった。イラン側が乗員を拘束すれば苦い記憶がよみがえり、米国内に厭戦(えんせん)気分が広がる可能性がある。トランプ米大統領は3日、英ニュースサイト「インディペンデント」の乗員が拘束された場合の対応についての問いに「そうならないよう願う」と述べた。
【時事通信社】
2026年04月04日 20時31分
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