
【ニューヨーク時事】核拡散防止条約(NPT)の履行状況を確認し、今後の取り組みを協議する再検討会議が27日午前(日本時間同日午後)、ニューヨークの国連本部で開幕した。核軍縮の機運が後退し、協議難航も予想される中、初日から米国とイランが非難の応酬を繰り広げた。
グテレス事務総長は冒頭演説でNPT体制の弱体化を指摘。2024年の日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞に触れ、「彼らのメッセージが今ほど切迫したことはない」「軍縮こそ平和の基盤だ」と訴えた。
会議は、定員34人の副議長のうち1人をイランから選出することを決定。その過程で米英などが強く反発した。ヨー米国務次官補(軍備管理・不拡散担当)は「条約への違反を続ける悪名高い国」とイランを非難し、「会議の信頼性を損なう」と主張。イランのナジャフィ国際原子力機関(IAEA)担当大使は「米国の主張には根拠がない」と反論し、米イスラエルによるイラン核施設空爆を「国際法の重大な違反で、核不拡散体制への攻撃」と糾弾した。
一般討論演説では、広島と長崎で学生時代を過ごした国光文乃外務副大臣が高市早苗首相の声明を代読し、「強固な形で(NPT体制を)次世代に引き継げるよう、維持・強化が急務」と強調。その後の演説で「日本はNPTの守護者であり続ける」と表明した。
核兵器国の閣僚としては唯一、フランスのバロ外相が演説。イランと北朝鮮を名指しし、「核拡散のリスクはかつてなく高い」と警鐘を鳴らした。仏が進める核抑止力の強化については「核戦力の上方調整」と位置付け、「NPTと完全に整合する」との見方を示した。
ウクライナのミシェンコ外務副大臣は、ロシアは「核不拡散」「核軍縮」「原子力の平和利用」の「NPTの3本柱全てを攻撃している」と批判。加盟国に対しNPTの確実な履行のための「断固たる行動」を求めた。
会期は5月22日まで。今月30日までは、一般討論演説が続き、その後三つの主要委員会に分かれて成果文書採択を目指し討議を重ねる。
【時事通信社】
〔写真説明〕27日、ニューヨークの国連本部で演説する国光文乃外務副大臣
2026年04月28日 16時02分