
【北京時事】中東情勢の不安定化で世界的にエネルギーの供給不安が高まる中、中国の習近平政権は守りを固めている。原油調達先を多角化しているほか、精製した石油製品の輸出も制限。自国のエネルギー安全保障を最優先に、内向きな姿勢が鮮明だ。
中国の3月の原油輸入量は、前年同月比2%超減少した。ただ、ロシアからは約14%増加。ブラジルや、イラン産の経由地とされるインドネシアからも急増しており、湾岸諸国からの減少分をほぼ補った形となっている。
原油確保を進める一方、石油製品の輸出も絞り込んでいる。中国は、アジア太平洋地域で航空燃料の最大の輸出国とされる。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国当局が航空燃料の輸出を制限したため、日本やオーストラリアなどの航空会社が深刻な燃料不足に直面していると報じた。
日本をはじめとする国際エネルギー機関(IEA)加盟の主要国は石油備蓄の放出に踏み切ったが、中国は国家備蓄にも手を付けていないもようだ。中国政府は公表していないが、国内消費の約70日分にあたる12億バレル超の備蓄があると推測されている。
トランプ米政権は、中国が備蓄を維持しながら原油の大量購入を続けていることなどについて「信頼できないパートナー」(ベセント財務長官)と批判。ある外交関係者は「習政権は外部に頼らない『自立自強』の方針に基づき石油をため込んでいるのだろう」と分析する。
習政権は28日に開いた共産党中央政治局会議で、「エネルギー安全保障の水準を高める」と表明。ホルムズ海峡の混乱長期化に備え、今後は米国からの調達やロシアからの輸入増を検討するとみられる。世界的に米ロの原油の需要が高まる中、5月にはトランプ大統領、その後にロシアのプーチン大統領が訪中する予定。それぞれの首脳会談では、エネルギー供給も大きなテーマになりそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕中国・山東省の青島港に停泊する原油タンカー=4月7日(AFP時事)
2026年04月30日 12時45分