住宅浸水解消も尽きぬ不安=農業被害深刻、復興遠く―台風25号から1カ月・千葉



千葉、神奈川両県で死者15人を出すなど甚大な被害をもたらした台風25号の大雨から、21日で1カ月となる。被害が広範囲に及んだ千葉県は、8月から何度も水害に見舞われた。住宅地の浸水はようやく解消したものの、「住み続けるかどうか」と将来不安が頭をもたげる。農業被害は深刻で、復興への道のりは遠い。

崩落した盛り土が川をふさぎ、15戸が浸水した酒々井町の馬橋地区では、今月13日に水が引いた。自宅の床上約55センチが漬かり、防護服姿で後片付けをする鈴木早苗さん(56)は、「『今後は安心』というお墨付きがないと家を修理するのも不安。住み続けるか、引っ越すか決めかねている」と顔を曇らせる。

床下浸水で畳の交換などが必要となった保科勇太さん(44)は「今がようやくスタートラインだ」と語った。

計4カ所で堤防が決壊した県北部の印旛沼。緊急復旧工事は完了したが、周辺の農地は広く泥に覆われた。

成田市の鈴木明久さん(76)は主に大根やナス、アスパラガスを栽培していたが、ハウス4棟など約5000平方メートルが10日間冠水し、作物が全滅した。ハウスには乾いた泥がこびりつき、暖房機や耕運機もすべて壊れたという。鈴木さんは「再び野菜を作れるのは来春ごろになる」と肩を落とした。

土砂流入が相次いだJR内房線姉ケ崎―長浦間は復旧になお2カ月かかる見通しだ。県やJRなどは電動アシスト自転車を無料で貸し出す緊急措置を始めた。木更津市の平野あゆみさん(31)は、代行バスで40分以上かかったところを自転車なら約25分だったとし、「天気が良ければ自転車、悪ければバスと使い分けたい。とにかく早く復旧してほしい」と語った。

県災害対策本部によると、台風25号による被害は20日時点で、死者10人、重軽傷者37人。住宅被害は全半壊795棟、床上・床下浸水計1534棟に上る。農林水産被害は250億円を超えた。

【時事通信社】 〔写真説明〕床上浸水した家の片付けをする馬橋地区の住民女性=19日、千葉県酒々井町 〔写真説明〕台風25号による印旛沼の堤防決壊で冠水し、ハウス栽培の作物が全滅した農家の鈴木明久さん=16日午後、千葉県成田市 〔写真説明〕緊急復旧工事を終えた印旛沼の堤防(奥)と水に漬かったままの田んぼ=16日午後、千葉県成田市 〔写真説明〕印旛沼の堤防が決壊し、浸水した田んぼ=16日、千葉県成田市

2026年10月21日 07時06分


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