火星の月、どうできた?=有力2説、MMXで「決着」―生命起源の手掛かりも



火星衛星探査機「MMX」の大きな科学目標は、火星の衛星が生まれた過程を解明するとともに、原始の地球や火星に水や生命のもととなる物質がどう運ばれてきたかを解き明かすことだ。科学研究面の責任者(PI)を務める北海道大の倉本圭教授は「生命が住める惑星がどうできたのか。実証的なデータを得られるのは大きい」と期待している。

火星の衛星フォボスとダイモスはいずれも直径20キロ程度で、地球の月(直径約3500キロ)と比べ極めて小さい。これまでの観測から水や炭素(有機物)を含んだ、小惑星「りゅうぐう」と似た組成と考えられている。

その起源には有力な2説がある。火星が誕生した時期に付近を通った小惑星が重力に捕まえられた「捕獲説」と、原始火星に別の天体が衝突し、その破片が集まってフォボスやダイモスになったという「衝突説」だ。

倉本さんは「MMXの観測や試料で、決着は確実につく」と自信を見せる。捕獲説であれば、誕生直後から水や有機物を含む小惑星が近くに来ていたことになり、「地球や火星に大気、海、生命がいつどう生まれたか、ものすごく前進する答えを出せる可能性がある」と指摘。衝突説でも「フォボスは衝突天体と火星の破片が混ざったものになる」とし、「初期の火星と衝突天体の状態が分かり、衝突天体に水があったかどうかも見えてくる」と話す。

フォボス表面には、隕石(いんせき)衝突などで火星から飛ばされてきた砂が混ざっている可能性もある。倉本さんは「もし火星に大昔生命が生まれていたとすれば、ひょっとしたら試料の中に生命活動の痕跡が見つかるかもしれない」と期待も口にした。

【時事通信社】 〔写真説明〕火星衛星探査機「MMX」で科学研究責任者を務める北海道大の倉本圭教授(本人提供) 〔写真説明〕火星の衛星の起源として有力な「捕獲説」と「(巨大)衝突説」(JAXA提供)

2026年10月21日 07時08分


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