
【カイロ時事】パレスチナ投資基金のモハメド・ムスタファ総裁は17日、イスラエルとイスラム組織ハマスによる交戦が続くパレスチナ自治区ガザでの住宅再建に、少なくとも150億ドル(約2兆2000億円)が必要になるとの見通しを明らかにした。スイスで開催中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での発言として、ロイター通信が報じた。
ガザでは住民の大半が避難を余儀なくされ、住宅35万戸が完全または部分的に破壊されたとみられている。ムスタファ氏は「病院、送電網などについては話していない」と説明。インフラを含む地区全体の復旧には、さらに資金が必要になるとみられる。
その上で、再建に向けた財政支援の重要性を指摘しつつ、それだけでガザを巡る問題を根本的に解決することはできないと指摘。パレスチナ問題の政治的解決が必須だと訴えた。
ガザでは支援物資が不足し、人道状況が深刻さを増している。衛生状況も悪化し、ガザ当局は17日、A型肝炎がまん延していると発表。ムスタファ氏は「ガザでの戦争が続けば、飢餓によって死ぬ人が戦争で死ぬ人を上回るだろう」と警鐘を鳴らした。
イスラエル軍報道官は17日、ガザ南部ハンユニスの南側に作戦領域を広げ、過去24時間に戦闘員30人以上を殺害したと発表した。報道官は「厳しい戦闘だった」と強調。一連の作戦でイスラエル兵2人が死亡し、10月末の地上侵攻開始後の戦死者は193人に達した。
イスラエル軍のハレビ参謀総長は17日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦が続いているイスラエル北部を視察。緊張が高まっている状況に関し、「いつかは分からないが、北部での戦争が数カ月以内に起きる可能性が、これまで以上に高まっている」と語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕パレスチナ自治区ガザの難民キャンプで、破壊された建物=16日、中部ヌセイラト(EPA時事)
2024年01月18日 07時45分