【ワシントン時事】バイデン米政権は23日、ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で2年を迎えるのを前に、対ロ追加制裁を発表した。ロシアの企業や金融機関を中心に500超の個人・団体を制裁対象に指定。ロシアの戦争遂行能力の弱体化を目指し、反体制派指導者ナワリヌイ氏の獄死の責任を追及する。
侵攻開始以降、最大規模の制裁。イエレン米財務長官は声明で、プーチン政権が「自国民の将来を代償に隣国を倒す兵器を製造する経済へとかじを切った」と指摘し、ウクライナ支援継続の重要性を強調。ナワリヌイ氏の死亡に関しても、「プーチン(ロシア大統領)による、あからさまな人命の無視だ」と非難した。
制裁対象に指定されたのは、ロシア中央銀行傘下で独自決済システム「ミール」の運営会社「国家決済カードシステム(NSPK)」など。制裁逃れに関与したとして、中国やアラブ首長国連邦(UAE)、セルビアを含む26カ国の企業、11カ国の個人も狙い撃ちにし、米国内の資産を凍結するほか、米金融機関からの締め出しを図る。
ロシア軍を支える軍事会社のほか、無人機の製造会社、北朝鮮からの弾薬や兵器の運搬に関与した輸送会社も対象となった。米国務省はナワリヌイ氏獄死との関連で収監先の刑務所幹部ら3人を制裁し、商務省が事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」に90社以上の企業を追加。米政府は2年にわたり、4000を超える個人・団体に制裁を科したという。
バイデン大統領は22日、米西部サンフランシスコでナワリヌイ氏の妻ユリアさんと娘ダリアさんと面会。「ロシアや世界各地で自由や民主主義、人権のために闘う人々を通じ、遺産は受け継がれる」と強調し、故人の活動を称賛した。23日には声明を出し、今回の制裁は「プーチンの侵略と弾圧にさらに厳しい代償を払わせる」と語った。
【時事通信社】
2024年02月24日 00時15分
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