【バンコク時事】タイで6日、タクシン元首相の次女で最大与党・タイ貢献党党首のペートンタン首相(38)ら閣僚の宣誓式が行われ、新政権が発足した。セター前首相の失職で露呈した政治的な不安定さは、連立から排除された一部保守派が政権批判を強めるなど解消されておらず、タイ史上最年少で首相となったペートンタン氏は難しいかじ取りを迫られる。
新政権では、貢献党のピチャイ副首相兼財務相や、与党第2党・タイの誇り党党首のアヌティン副首相兼内相ら主要閣僚が前政権から留任。一方、ペートンタン氏を含め有力政治家の親族が複数入閣していることに批判が出ている。同氏は5日、「政治家の親族であることは、サポートも受けられるので悪いことではない。国民のため、国を前進させられる閣僚だ」と釈明した。
ペートンタン氏は先月、閣僚人事を巡り憲法裁判所の判決で失職したセター氏の後任として、首相に選出された。判決の背景には軍や王室を支持する保守派と、タクシン氏との緊張関係があったとみられている。
【時事通信社】
〔写真説明〕6日、宣誓式のためバンコクの首相府に到着したタイのペートンタン首相
2024年09月09日 08時14分