
【ワシントン、カイロ時事】イランが事実上封鎖する原油輸送の要衝ホルムズ海峡で通航支援を開始した米中央軍は4日、イランが巡航ミサイルとドローンで米艦艇や商船を攻撃したと明らかにした。いずれも迎撃し、小型船6隻を撃沈したという。ロイター通信などが伝えた。イランは米軍の活動に反発したとみられるが、約1カ月続いてきた停戦が揺らいでいる。
ただ、ケイン統合参謀本部議長は5日、記者会見し、イランは停戦後10回以上米艦艇を攻撃してきたが「大規模戦闘を再開する水準には達していない」と指摘。ヘグセス国防長官も「停戦は終了していない」と強調し、現時点では事態のエスカレーションを避ける構えだ。
米中央軍は、通航支援第1段階として米商船2隻が同海峡を通過したと発表。ケイン氏によると、船員2万2500人、商船1550隻超がペルシャ湾内に取り残されているといい、米軍は通航支援を継続する方針。
イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」に近いタスニム通信は4日、米側の発表は「完全なるうそだ」として否定する同隊の声明を報じた。5日には軍事筋の話として、イラン沿岸に向かっていた貨物船2隻が米軍の攻撃を受け、乗船中の民間人5人が死亡したと主張した。
イランのアラグチ外相は5日、X(旧ツイッター)への投稿で「軍事的解決策はない。パキスタンの努力で協議が進む中、米国は泥沼に戻ることを警戒すべきだ」と強調。戦闘終結に向けた米国との協議は排除しなかった。中国外務省はアラグチ氏が6日に中国を訪れ、王毅共産党政治局員兼外相と会談すると明らかにした。
一方、アラブ首長国連邦(UAE)国防省は4日、イランからの攻撃を受けたと発表。「防空システムが弾道ミサイル12発、巡航ミサイル3発、無人機4機を迎撃した」と説明した。東部の石油積み出し拠点フジャイラでは火災でインド国籍の3人が負傷したという。UAE外務省は声明で「危険なエスカレーションだ」と強く非難した。
〔写真説明〕米中央軍のX(旧ツイッター)に投稿されたホルムズ海峡の航行支援作戦を展開する艦艇などの画像
〔写真説明〕クーパー米中央軍司令官=4月16日、ワシントン(AFP時事)
2026年05月06日 07時42分