台湾総統、エスワティニ訪問終了=国王専用機で「中国の妨害」突破



【台北時事】台湾の頼清徳総統は5日、アフリカで唯一外交関係を維持するエスワティニ(旧スワジランド)訪問の日程を終え、台湾北部・桃園市の空港に到着した。当初は4月に訪れる予定だったが、総統府が「中国の妨害」を理由に延期し、改めて今月2日から訪問していた。往復にはエスワティニ国王専用機が使われ、台湾メディアは「中国の外交封鎖を突破した」と伝えている。

頼氏は空港で談話を発表し、「今回の道のりは一度妨げられたが、逆に台湾人の固い決意を世界に見せた。台湾人は世界に向かって進む権利があり、圧力を受けても退却しない」と強調した。

頼氏のエスワティニ訪問は2024年の総統就任後初めて。当初は4月22~27日に訪れ、国王ムスワティ3世の即位40年祝賀式典への出席などを計画していた。ところが、頼氏の移動ルートに当たるインド洋の「飛行情報区」を管轄するセーシェル、モーリシャス、マダガスカルの3カ国が一度出した飛行許可を撤回したとして、出発直前に訪問を延期。総統府は「中国当局が3カ国に経済的脅迫も含む強い圧力をかけた」と非難した。

総統の外遊をこうした理由で延期したのは初めてで、頼政権は、台湾の外交空間を狭めようとする中国が第三国の飛行許可を新たに「武器化」したと警戒している。台湾が外交関係を持つ国は、中国の切り崩しによって12カ国に減少した。

訪問延期後、エスワティニの特使が国王専用機で台湾を訪れ、4月30日に頼氏と会談。頼氏は妨害を避けるため秘密裏に特使の帰国便に同乗し、エスワティニ到着後に電撃的訪問を明らかにした。頼政権を「台湾独立派」と敵視する中国は、外務省報道官談話で「外国機に潜り込み密航まがいの茶番を演じた」と頼氏を批判した。

〔写真説明〕5日、台湾北部・桃園市の桃園国際空港に到着した頼清徳総統(中央)(総統府提供・時事) 〔写真説明〕台湾の頼清徳総統が乗ったエスワティニ国王専用機と護衛に当たる台湾軍のF16戦闘機(国防部軍事新聞通信社が5日提供・時事)

2026年05月05日 16時32分


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