クマの餌、再来年も不足か=ブナの実、21年から豊作と凶作交互に―周期に変化・被害最多の秋田



クマによる人身被害が全国で最も多い秋田県で、クマの餌となるブナの実が2021年以降、1年おきに豊作と凶作を繰り返していることが8日、県林業研究研修センターの調査で分かった。センターが先月公表した26年の豊凶予報は「豊作」で、27年は凶作になることが見込まれる。

ブナの実の凶作は、クマが人里に出没する大きな要因とされる。豊作の翌年に凶作になった場合は人身被害が深刻化する傾向にあり、23年はけが人の数が過去最悪の70人、同様の状況だった今年も死者4人を含む66人(11月末時点)が被害に遭った。

同センターの和田覚環境経営部長によると、ブナの実は通常、5~7年に1回豊作になる。しかし、センターが02年から実施する結実状況調査では、豊作となったのは05年、13年、15年、18年と間隔が次第に狭まっていた。その後は22年、24年が豊作で、いずれも翌年は凶作と、豊作と凶作が隔年周期になった。

周期が変化した具体的な要因は分かっていないが、夏が猛暑になった翌年に豊作になるデータもあることから、温暖化が一因として考えられるという。

ブナの実は栄養価が高く、冬眠前のクマにとり貴重な栄養源になる。豊作の年はクマの繁殖が盛んになり個体数が増加する一方、翌年が凶作になると生存競争が激しくなり、人里に出没しやすくなる。

〔写真説明〕結実したブナの実=3日、秋田市

2025年12月08日 16時35分


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