がんパネル検査、早期が有効=4人に1人が適合薬―京大病院



がん細胞の遺伝子変化を調べる「がん遺伝子パネル検査」について、京都大病院は12日までに、治療開始前に検査を実施した場合、4人に1人が適合する薬の投与を受けられたとする研究結果を発表した。

パネル検査は、血液やがん組織のDNAを取り出し、数十~数百種類の遺伝子変異を解析する。有効な治療の選択肢が限られる患者などが対象で、検査結果を基に専門家会議が使える薬の有無を検討し、主治医に助言する。2019年に公的医療保険が適用され、10万人以上が検査を受けている。

同病院は21年以降、消化器や肺、乳がんなどに罹患(りかん)した172人を追跡調査。厚生労働省の資料では、抗がん剤などの標準的な治療後にパネル検査を受けても、全身状態の悪化などでその後治療を受けることができた患者は8.2%にとどまったが、今回の研究では25%(43人)に上った。身体に負担が掛かる抗がん剤などの投与前で、症状が安定していたためとみられる。

また、パネル検査を実施した患者のうち、有効な薬の投与を受けられた人は、投与に至らなかった人と比べ死亡リスクが41%低下した。がんの悪化リスクも大きく減少していた。

〔写真説明〕京都大病院=京都市左京区

2025年12月12日 15時12分


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