
絶滅したネアンデルタール人は美しいと感じた貝殻をめでるなど、現生人類ホモ・サピエンスの祖先と同様の価値観を持っていたと考えられるとする研究成果を京都大大学院や福岡大などの国際研究チームが発表した。論文は7日以降に米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
京都大大学院などによると、トルコ南部の「ウチャーズリII洞窟」でネアンデルタール人の化石が出土した地層から貝殻の化石も見つかった。約7.7万年前~約5.9万年前のものとされ、食用に適さない貝「アフリカタモト」で、収集品だったとみられる。
一方、同じ洞窟の約5.9万年前~約4.7万年前の地層からも同様にアフリカタモトが見つかり、ホモ・サピエンスの化石も確認された。
日本、トルコ、フランスの研究者で構成されたチームは、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスそれぞれの地層から見つかった石器や食用にされた動物の化石が同じだったことなども踏まえ、両種に接触の機会があり、共通の価値観があったと推定している。
研究チームの森本直記京都大大学院准教授(自然人類学)は「食べられもしない貝殻に価値を感じていたことは、人間にとって芸術や好奇心が根源的な欲求であることを意味していると考えられる」と話している。
〔写真説明〕ウチャーズリⅡ洞窟でネアンデルタール人の化石が出土した地層から見つかったアフリカタモト。右は1円硬貨(森本直記京都大大学院准教授提供)
〔写真説明〕トルコ南部のウチャーズリⅡ洞窟(森本直記京都大大学院准教授提供)
2026年07月07日 04時08分