米政権のアジア戦略焦点=30日安保会議開幕―シンガポール



【シンガポール時事】アジアや米欧の国防幹部らが一堂に会する「アジア安全保障会議」(通称シャングリラ会合)が30日、シンガポールで3日間の日程で開幕する。米中の対立が続く中、ヘグセス米国防長官が第2次トランプ政権のアジア戦略をどのように示すかが焦点となる。

ヘグセス氏は31日に、インド太平洋戦略に関する演説を予定している。同氏は28日、シンガポールへの出発に先立ち、「インド太平洋で同盟国などと協力し、力による平和と抑止を実現する」と訴えると述べた。

トランプ大統領は1期目に「自由で開かれたインド太平洋」を掲げたが、2期目のアジア戦略を明確にしていない。中国を含むアジアの国々に関税引き上げで圧力をかけており、地域への関与にも不透明感が漂っている。

一方、ヘグセス氏は3月に日本やフィリピンを訪問した際、「米国第一は米国単独を意味しない」と強調し、同盟国との連携強化を打ち出した。シンガポールでの演説でも、米国が地域の安全保障に積極的に取り組む方針を表明するとみられる。

会議では、フランスのマクロン大統領が基調講演を行い、日本から中谷元防衛相が出席する予定。中国の董軍国防相は欠席すると伝えられている。議題は、中国が覇権主義的な動きを強める東・南シナ海情勢、北朝鮮の核・ミサイル開発、ロシアのウクライナ侵攻などが中心。インドとパキスタンの武力衝突についても話し合われるとみられる。

【時事通信社】 〔写真説明〕ヘグセス米国防長官=27日、ワシントン(AFP時事)

2025年05月30日 07時30分


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