日本製鉄が1日発表した2025年4~6月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が1958億円の赤字(前年同期は1575億円の黒字)に転落した。6月の米鉄鋼大手USスチール買収に伴い、競争法上の懸念を払拭するため欧州大手アルセロール・ミッタルとの合弁事業を解消。2300億円規模の事業再編損失を計上したことなどが響いた。
一方、7月以降USスチールの収益貢献が本格化。26年3月期の通期連結業績は、売上収益が過去最高の10兆円になる見通しだ。事業利益は4800億円(従来予想4000億円)に上方修正し、純損益は400億円の赤字(同2000億円の黒字)を予想している。
東京都内で記者会見した森高弘副会長は、USスチール買収による今期の増益効果を800億円程度と説明。今後生産設備の更新や新たな電炉施設の稼働などを進め、28年度には2500億円程度の利益貢献を見込む。森氏は「われわれの技術を移すだけでかなりの効果が出る」と強調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見する日本製鉄の森高弘副会長=1日、東京都千代田区
2025年08月01日 18時55分