厚生労働省は、「マイナ保険証」の機能を搭載したスマートフォン(スマホ保険証)の普及に向け、医療機関や薬局で新たに必要となる機器の購入費について、1台当たり5000円程度を上限に補助する方針を固めた。対象となるのはスマホからデータを読み取る「汎用(はんよう)カードリーダー」で、普及が進めばマイナンバーカードを持参しなくてもスマホだけで受診できるようになる。近く、補助制度の詳細を公表する。
政府は昨年12月に従来の健康保険証の新規発行を終了し、マイナカードと保険証を一体化した「マイナ保険証」への移行を本格化している。しかし、マイナ保険証の利用率は今年6月時点で30.64%にとどまるため、スマホ保険証の導入といった利用促進策を打ち出している。
スマホ保険証を使う場合、患者は医療機関の窓口で顔認証機能付きカードリーダーを操作した上で、汎用カードリーダーにスマホをかざす必要がある。医療機関が新たに設置する汎用カードリーダーは1台当たり1万円程度とみられ、厚労省は半額を補助する方針。
厚労省は9月にも準備の整った医療機関からスマホ保険証の利用を開始する。スマホ保険証は汎用カードリーダーの他に、キヤノンマーケティングジャパン製の顔認証機能付きカードリーダーでも対応可能。ただ、同省は医療現場での正確な準備状況を把握できていない。
【時事通信社】
〔写真説明〕「スマホ保険証」の利用イメージ(厚生労働省提供)
2025年08月02日 07時14分