【パリ時事】ウクライナ和平を目指す欧州主体の「有志連合」35カ国は4日、フランス・パリでの対面とオンラインによる首脳会合を開いた。スターマー英首相と共同議長を務めたマクロン仏大統領は終了後に記者会見し、ロシアによる侵攻終結後のウクライナへの派兵など、「安全の保証」に関する計画が承認されたと明らかにした。焦点となっている米国の関与については「近くまとまる」と述べるにとどめた。
安全の保証は、ウクライナ軍強化や国際部隊の派遣、米軍の関与が柱。米欧首脳は8月18日の会談で「欧州が大きな負担をし、米国が支援する」原則で一致し、欧州が立案を担当した。トランプ米大統領は地上部隊の派遣を否定しており、どのような貢献を行う考えかはっきりしていない。
会見でマクロン氏は、会合で26カ国が軍事支援か派兵を約束したと指摘。編成する部隊の規模などはロシアに手の内を明かすことになるため、「公にするつもりはない」と説明を拒否した。
パリにはウクライナのゼレンスキー大統領のほか、米国のウィトコフ中東担当特使らが集まった。ドイツのメルツ首相、イタリアのメローニ首相、オーストラリアのアルバニージー首相らはオンラインで参加した。
石破茂首相もオンライン出席。日本は「官民一体の復旧・復興支援を推進していく」と述べた。
ゼレンスキー氏と欧州首脳は4日、トランプ氏と電話会談。会合の決定事項を伝え、ロシアに和平後の再侵攻を思いとどまらせる「安全網」としての役割を米国が果たすよう促した。対ロシア圧力強化に向け、中国を含むロシア寄りの国に協調して制裁を科す方策も話し合った。一方、トランプ氏は欧州にロシア産原油の購入停止を求めた。
トランプ氏はこの後、ホワイトハウスで記者団に対し、ロシアのプーチン大統領と近く協議すると明らかにした。欧州側との会談内容を話し合うとみられる。
【時事通信社】
〔写真説明〕4日、フランス・パリで開かれた「有志連合」の首脳会合に臨むマクロン大統領(中央右)、ウクライナのゼレンスキー大統領(同左)ら(ロイター時事)
〔写真説明〕4日、首相公邸で、欧州主体の「有志連合」によるウクライナ和平に関するオンライン首脳会合に出席する石破茂首相(内閣広報室提供)
2025年09月05日 13時38分