【カイロ時事】バンス米副大統領は21日、訪問先のイスラエルで記者会見し、パレスチナ自治区ガザのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦状況に関して「予想以上に順調だ」との認識を示した。イスラエルは米国が提示したガザ和平案「第1段階」合意後の19日、ハマス側の非違を主張してガザを空爆。停戦崩壊の懸念が高まったが、あえて楽観的な見方を示すことで、双方にくぎを刺した形だ。
イスラエルは、ハマス側の人質遺体返還が遅れていることを「合意違反」と見なしているが、ハマスはイスラエル軍が破壊を尽くした街で遺体を収容することは困難だと反論している。バンス氏は「人質の一部は大量のがれきの下に埋まっている。一部は誰も所在を知らない」と語り、遺体返還は「一夜にして成らない」とハマス側の主張に一定の理解を示した。
その上で、「ハマスは武装解除しなければならない。受け入れなければ非常に悪いことが起きる」と改めて警告。ただ、和平案「第2段階」に向けたイスラエルとハマスの交渉で武装解除を巡る協議は難航することが確実で、「多少時間がかかる」との考えも表明した。
【時事通信社】
〔写真説明〕21日、イスラエル南部キリヤットガトで記者会見するバンス米副大統領(ロイター時事)
2025年10月22日 18時15分