陸自、秋田・鹿角市で活動開始=クマ被害で箱わな設置―県と協定、支援範囲拡大へ



陸上自衛隊は5日、クマ被害が深刻な秋田県に部隊を派遣し、鹿角市で捕獲用の箱わなの輸送や設置などの後方支援活動を始めた。陸自は同日午前、同県との間で活動内容や役割分担を定めた協定を締結。順次、北秋田市や大館市、八峰町など県が求めた地域へ範囲を拡大する方針だ。

協定の期間は30日まで。自衛隊は箱わなの運搬や設置、クマがわなにかかっているかどうかの見回りを猟友会と共に行うほか、捕獲後に殺処分したクマの運搬なども担う。

5日は秋田駐屯地(秋田市)の第21普通科連隊の隊員15人が鹿角市に入り、猟友会のメンバー4人と活動に当たった。同市などによると、既に設置されている箱わな1基を、数キロ離れたクマ出没の可能性がより高い場所に運び、設置し直す作業を行ったという。

防衛省によると、隊員は安全確保のため、金属製のプレートで強化した防弾チョッキを装着。作業役と見張り役に分かれ、空からは陸自ドローンで警戒する。

猟銃より口径が小さい陸自の小銃ではクマに対応できず、猟銃を使用した鳥獣駆除の訓練を実施していないことなどから武器は携行しない。万が一クマに遭遇した場合は猟友会メンバーが対処するという。危険が迫った場合は、防護盾や約166センチある木銃でクマとの距離を取りながら、クマスプレーを噴射し身を守る。

同省は「防護については、小火器よりクマスプレーなどの方が適していると判断した」としている。

【時事通信社】 〔写真説明〕クマ捕獲のために設置された箱わな=5日午後、秋田県鹿角市 〔写真説明〕クマ被害防止のための協定を締結した秋田県の鈴木健太知事(左)と陸上自衛隊第9師団長の松永康則陸将=5日午前、秋田県庁 〔写真説明〕箱わなを置く陸自隊員ら=5日午後、秋田県鹿角市

2025年11月05日 18時17分


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