地方の空き地、ビルとセットで開発=「公共貢献」で容積率緩和―国交省



国土交通省は、デベロッパーがビルを建てる際、地域住民や街全体の利益につながる「公共貢献」の取り組みを併せて行えば、ビルの容積率緩和の適用が受けられる制度を拡充する方針だ。主に大都市圏で活用されてきたが、地方でも可能であることを明確化する。駅前に商業施設を建てるのとセットで、周辺の空き地を開発する動きを促進。緑地や市民農園に造り替える事例などを想定しており、地域活性化につなげる。

国交省は、都市開発を進めるために自治体が独自に容積率を緩和できる制度を設けている。緩和されると、より大きい建物を造れるメリットがある。緩和可能なエリアには、都道府県や政令市が指定し、三大都市圏や県庁所在地に多い「都市再生特別地区」と、市町村が指定し、小規模な都市に多い「高度利用地区」「特定街区」「再開発等促進区」がある。

このうち都市再生特別地区では、開発促進を目的とした一律の緩和に加え、デベロッパーが開発と公共貢献をセットで行えば緩和を上乗せできることが国の運用指針に明記されている。オフィスビルの中に学生向けの廉価な賃貸住宅を設けたり、ビルの敷地内に緑地を造ったりする例がある。

他の3地区について、指針には公共貢献による緩和ができるとは書いていないが、独自の仕組みを設けている自治体がある。国交省は2026年度以降に、これらの地区でも緩和が可能であることを指針に書き加える。

地価が高く、既に再開発が進んでいる大都市圏では、公共貢献はビルの中や、デベロッパー自身が持つ土地を使って行うことが多い。一方、地方の小規模都市は中心部でも空き地が残っていることがある。そのため、3地区での公共貢献は、デベロッパー以外が持つ空き地を借りて行う場合も多くなるとみられる。

【時事通信社】

2025年12月06日 14時33分

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