
北朝鮮を「地上の楽園」とうたって在日コリアンらに帰還を呼び掛けた事業で、渡航後に出国させてもらえず人権を侵害されたとして、脱北者や遺族計4人が北朝鮮政府に総額4億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し審判決が26日、東京地裁であった。神野泰一裁判長は同政府による継続的な不法行為が成立すると認め、「人生の大半を奪われたと言っても過言ではない」として計8800万円の賠償を命じた。
外国政府が行った事業の不法行為を認めて賠償を命じる判決は異例。北朝鮮側は一度も出廷しなかった。双方控訴しなければ判決が確定するが、実際に賠償金を回収できるかは不透明だ。
判決によると、4人は本人や父親が1960~72年、北朝鮮に渡航。2001~03年に脱北し、18年に提訴した。
神野裁判長は、北朝鮮政府が「十分な食糧や住居、仕事を与える」などと事実と懸け離れた呼び掛けをし、原告らに真実と誤信させたと判断。「渡航後は自由な出国を許さずに居住地選択の自由を侵害し、過酷な状況下で長期間生活することを余儀なくさせた」と認定した。
【時事通信社】
〔写真説明〕北朝鮮の帰還事業を巡り、同国政府に賠償を命じた判決後に記者会見する原告の川崎栄子さん(中央)と代理人の福田健治弁護士(左)ら=26日午後、東京都千代田区
2026年01月26日 19時11分