真冬の選挙、演説警護に難しさも=カイロや飲料、検査に時間懸念―テロ対策「万全期す」・警察当局【2026衆院選】



2月8日投開票の衆院選で、警察当局は単独でテロを行う「ローンオフェンダー(LO)」対策など、要人警護に全力を挙げる。ただ、急転直下の解散に始まった真冬の短期決戦ならではの難しさもある。

2022年の安倍晋三元首相銃撃事件を機に、警察庁は要人警護を強化。衆院選では、自民党などに演説会場は警備のしやすい屋内を優先し、大雪などによる急なスケジュール変更を極力控えることなどを求めた。寒さもあって屋内での演説が増える見通しだが、短期決戦による会場確保の難しさなどから街頭演説を選ぶことも想定される。

昨年夏の参院選では、手荷物確認や金属探知検査が済んだ人だけをパイプ柵などで囲った「聴衆エリア」に入れる方式が定着した。

衆院選も同様の方式で行われるが、真冬の今回は、温かい飲み物を入れた水筒や携帯カイロの安全確認にも時間を要することが懸念される。飲料は係員の前で一口飲まねばならず、鉄粉を含むカイロは金属検査機に反応する恐れが強い。衣服に貼るタイプだと安全確認のため体を触る必要があり、同庁は陣営に女性スタッフの配置を要請した。

女性で初めて首相に就いた高市早苗氏の応援演説には、多くの聴衆が集まることも予想され、同庁は「持ち込み禁止ではないが、カイロをポケットや荷物から出すなど、検査に協力してほしい」と呼び掛けている。

LO対策では、参院選に続き、警察庁に司令塔となる「LO脅威情報統合センター」を設置。全国の警察が収集した不審情報を集約し、テロ防止に当たる。

参院選ではSNSやネット掲示板で要人襲撃などをにおわせた「危険な投稿」を889件把握し、人物特定や警告などを実施した。危険投稿の多数を占めたのはX(旧ツイッター)で、同庁は衆院選公示を前に、Xの日本法人にアカウント情報の緊急開示への協力を文書で要請した。

ネット監視は警察官の人力作業。警察庁は25年度補正予算で人工知能(AI)を活用した情報分析の実証試験を予定していたが、衆院選には間に合わなかった。担当幹部は「急な選挙だが、今後のAI分析に生かすためにも、不審情報の把握や対処に万全を期す」と話している。

【時事通信社】 〔写真説明〕衆院選の街頭演説会場で、金属探知機の検査を受ける来場者=27日、青森県弘前市 〔写真説明〕高市早苗首相の街頭演説会場で、金属探知機を使い、手荷物を検査する候補者陣営のスタッフ=28日午後、札幌市

2026年01月29日 07時06分


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