衆院選「安保大転換」争点=武器輸出・核政策で対立軸―高市政権を問う「安全保障」【2026衆院選】



自民党と日本維新の会による連立政権発足後初の今回の衆院選では、高市政権が重視する安全保障政策の「抜本的強化」の是非が大きな争点となる。安保環境が「戦後最も厳しく」(政府)なる中、中道改革連合は「現実路線」を掲げつつ、「タカ派的」とみる与党との違いをアピールする。

「安保政策の大転換を問うていきたい」。高市早苗首相(自民総裁)は26日の日本記者クラブ主催の党首討論会で、衆院選の意義をこう語った。

自民の政権公約は石破政権時代に比べて保守色の濃い内容だ。中国の軍備増強、北朝鮮の核・ミサイル開発、ロシアのウクライナ侵攻に触れつつ、「現実の脅威に毅然(きぜん)と対峙(たいじ)する」と強調。安保関連3文書を年内に改定し、(1)新しい戦い方への対応(2)継戦能力の確保(3)太平洋側への対応―を盛り込む方針を示している。

武器輸出促進に向け、防衛装備移転3原則の運用指針の5類型を撤廃するとも明記した。

「アクセル役」を自負する維新はさらに前のめりだ。「専守防衛」を「積極防衛」に転換すると訴え、米国との原子力潜水艦の共有に言及。核共有を含む拡大抑止に関する議論を開始するとも記した。国内の装備品生産基盤の強化に向けた「国営工廠(こうしょう)」復活にも触れている。

これに対し、立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合は「ハト派的」な対立軸を打ち出す。公約では立民が長年「違憲」としてきた安保関連法について「合憲」と説明する一方、非核三原則見直しを否定しない首相を念頭に「非核三原則の堅持」を明記した。野田佳彦共同代表は討論会で「(与党との)決定的な違いだ」と力説した。

もっとも、中道は急ごしらえだけに、議論の「生煮え」は否めない。安住淳共同幹事長は中道の綱領発表の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設について「ストップするのは現実的ではない」と発言。移設中止を求めてきた立民内から撤回を迫られ、「言葉足らずだった」と釈明せざるを得なかった。維新の藤田文武共同代表は「曖昧だ」と批判する。

他の野党は独自の安保政策を掲げ、与党と中道の論戦に割って入る。国民民主党は「米国に依存しすぎた防衛体制の見直し」を提唱。共産党、れいわ新選組、社民党は武器輸出拡大に反対し、減税日本・ゆうこく連合は日米地位協定改定を主張する。参政党は核共有を含めた議論、日本保守党は防衛産業への政府投資促進、チームみらいは積極的なサイバー防衛を掲げる。

【時事通信社】 〔写真説明〕日本記者クラブ主催の党首討論会で高市早苗首相(右、自民党総裁)に質問する中道改革連合の野田佳彦共同代表=26日、東京都千代田区

2026年02月02日 07時03分


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