台湾有事発言、外交政策の争点に=トランプ政権対応も―高市政権を問う「外交」【2026衆院選】



8日投開票の衆院選では、台湾有事に関する高市早苗首相(自民党総裁)の発言を受けて悪化する日中関係や、「力による平和」を志向するトランプ米政権との向き合い方が、与野党の争点となっている。国際秩序が揺らぐ中、首相は中国との対話推進や米国との関係強化を訴えるが、野党からは保守的な外交姿勢を疑問視する声も上がる。

「正しく日本の立場を理解してもらうため、中国の習近平国家主席との直接対話の可能性も含め考えていく」。首相は先月26日、日本記者クラブ主催の討論会でこう強調した。

台湾有事を巡り、首相は昨年11月の衆院予算委員会で「存立危機事態」に該当し得ると答弁した。台湾を「核心的利益の中の核心」と位置付ける中国は猛反発。日本産水産物の輸入再停止や、軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出禁止などで、圧力を強めている。

与党は公約で、対話による解決をアピールしている。自民は「中国とは開かれた対話を通じ、建設的かつ安定的な関係構築を目指す」と明記。日本維新の会も「経済面の互恵的関係構築に向け対話を重ねる」と同調する。

これに対し、中道改革連合の野田佳彦共同代表はインターネット番組で「極めて深刻な状況だ」と懸念。共産党は公約で、首相答弁を「愚かで危険な発言だ」と断じ、撤回を求めた。社民党の福島瑞穂党首は「首相発言が中国との緊張を強めている」と酷評した。

日本にとって米国は唯一の同盟国。厳しさを増す日本周辺の安全保障環境を踏まえ、与党や中道、国民民主党は公約で「日米同盟は外交・安保の基軸だ」と足並みをそろえた。

ただ、西半球の権益確保に傾斜するトランプ政権は、年初にベネズエラ攻撃を断行。国際法違反との批判が相次ぐものの、「法の支配」を重視する立場の日本は、同盟関係を背景に論評を控えている。

多くの政党が同様に言及を避ける中、共産、社民両党は公約で米国を批判。共産の田村智子委員長は先月26日の討論会で、首相に「法の支配を掲げながら、なぜトランプ氏を批判しないのか」と迫った。

他の野党も、それぞれ独自の外交政策を掲げる。れいわ新選組や減税・ゆうこく連合は日米地位協定改定を主張。参政党は「対等な日米同盟」を訴える。日本保守党は「価値観を共有する国との連携強化」、チームみらいは「国際秩序の維持に貢献」を打ち出す。

【時事通信社】 〔写真説明〕日本記者クラブ主催の党首討論会に臨む各党党首。(左から)中道改革連合の野田佳彦共同代表、高市早苗首相、日本維新の会の藤田文武共同代表、参政党の神谷宗幣代表、れいわ新選組の大石晃子共同代表=1月26日、東京都千代田区 〔写真説明〕日本記者クラブ主催の党首討論会で発言する高市早苗首相(右)。左は中道改革連合の野田佳彦共同代表=1月26日、東京都千代田区

2026年02月04日 07時03分


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