中朝国境、完成10年超「開かずの橋」=旅客列車は再開、年内開通か



中国遼寧省丹東と北朝鮮北西部の新義州を結ぶ「新鴨緑江大橋」は、完成から10年以上を経ていまだ開通していない「開かずの橋」だ。中朝間では12日、北京・平壌間の旅客列車が約6年ぶりに再開。一時冷え込んでいた両国関係が改善の動きを見せる中、長らく放置されてきた大橋が年内に開通するとの観測が出ている。

◇協力の象徴

3月中旬、大橋の中国側の通関施設は利用開始を待つばかりとなっていた。北朝鮮側から来る車用の通路に掲げられた電光掲示板には「歓迎光臨(ようこそ)」の文字が点灯していた。

鴨緑江越しに大橋の北朝鮮側を見ると、税関関連施設とみられる10階ほどの高さの建造物が確認できた。付近に人影はない。地元のタクシー運転手は「開通は5、6月ごろと聞くが、確かではない」と話す。

全長約3キロの大橋は、中朝協力の象徴として2010年に着工。14年にはほぼ完成した。しかし、北朝鮮の核実験に対する国連安全保障理事会の制裁強化決議に中国が賛成したことで、関係は悪化。コロナ禍の国境封鎖や北朝鮮とロシアの接近も中朝関係をぎくしゃくさせた。北朝鮮側の道路整備の遅れもあり、開通は先延ばしにされてきた。

ただ、昨年9月に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が約6年半ぶりに訪中したことで、中朝関係は改善基調に。今年1月に丹東市政府が発表した活動報告には、年内の重点施策として「大橋の開通」が盛り込まれた。

◇中国に対抗心

大橋開通に際しては、北朝鮮側のメンツも関係してきそうだ。中国側に見劣りしないよう、周辺地域の開発と景観整備を加速させる可能性がある。

中朝間の貨物は現在、大橋から北約10キロに位置する「中朝友誼橋」を通って運ばれている。今月再開した旅客列車もこの橋を通り、周辺では中国側が遊覧船を運航している。

新義州では24年7月、大規模な洪水が発生。鴨緑江沿いで浸水被害が出た。洪水前、友誼橋そばの河岸には老朽化した住居が並んでいたが、現在は一掃され、新しい高層建築に変わっている。

丹東の観光関係者は「半年ほどの間に急ピッチで工事が進んだ」と驚きを隠さない。25年2月に新義州を訪れた朴泰成首相が「鴨緑江の対岸(中国)に社会主義の真の姿を示す」と檄(げき)を飛ばしたと報じられており、中国側の視線を意識し復興を急いだもようだ。(丹東=中国遼寧省=時事)。

【時事通信社】 〔写真説明〕中国と国境を接する鴨緑江河岸で作業する北朝鮮の労働者=11日、中国遼寧省丹東から撮影 〔写真説明〕中国遼寧省丹東と北朝鮮を結ぶ未開通の「新鴨緑江大橋」=11日、丹東 〔写真説明〕鴨緑江沿いに建つ北朝鮮の老朽化した民家=2023年4月、中国遼寧省丹東から撮影 〔写真説明〕鴨緑江沿いに新築された北朝鮮の高層住宅=11日、中国遼寧省丹東から撮影

2026年03月15日 07時11分


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