統制強化、揺らぐ「一国二制度」=「愛国者による統治」徹底―香港



【香港時事】12日閉幕した中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で承認された政府活動報告は香港について、「一国二制度」を貫徹し、「愛国者による統治」の原則を徹底しなければならないと訴えた。ただ、香港では2020年に中国主導で国家安全維持法(国安法)が施行され、社会統制が年々強化されている。香港に「高度な自治」を認めてきた同制度は形骸化が進んでおり、香港と中国の「一体化」が加速している。

「『一国二制度』の実践は画期的な進展と象徴的な成果を収めた」。中国の丁薛祥筆頭副首相は7日開かれた全人代の香港代表団の会合に出席し、「国家発展の大局に一層溶け込み、『一国二制度』事業の質の高い発展という新たな局面を切り開くべきだ」と呼び掛けた。

香港では19年、容疑者の中国本土移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案をきっかけに大規模な反政府デモが起きた。これに危機感を強めた習近平政権は国安法を導入。24年にはスパイ行為などを取り締まる国家安全条例が施行され、言論・報道の自由などは狭まりつつある。

8日の香港代表団の分科会後、親中派の立法会(議会)議員、陳仲尼氏は記者団に「国家安全なくして発展はあり得ない」と強調。「法制度は基本的に整備された」としつつ、「だからといって安心できない。国家安全には常に注意を払う必要がある」と述べ、政府に批判的な言動への警戒感をあらわにした。

全人代では第15次5カ年計画(26~30年)が承認された。これに合わせ、香港政府も年内を目標に独自の5カ年計画を初めて策定する方針。香港と中国本土が社会・経済的に連動することで、一体化は一段と進みそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕中国の全国人民代表大会(全人代)の香港代表団による分科会=8日、北京

2026年03月16日 07時03分


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