海外慰霊、活動30年超で幕=最終地ミャンマーを訪問



【バンコク時事】日本遺族会(東京都千代田区)が海外の戦地で実施してきた「慰霊友好親善事業」が、ミャンマー訪問を最後に幕を下ろした。参加者の高齢化で継続が困難となった。30年以上にわたり、遺児が自ら戦没地を訪れ、追悼と交流を重ねてきた取り組みが一区切りを迎えた。

ミャンマーは第2次世界大戦中、旧日本軍の「インパール作戦」の退却路や激戦地となり、約13万7000人が戦没した。新型コロナウイルス感染拡大や国内の政情不安で2019年度以来、訪問が途絶えていた。

今回、23都府県から50~80代の遺児ら約60人が参加。9日から13日にかけて最大都市ヤンゴンと中部バゴーを訪問し、11日には全戦没者追悼式をヤンゴンのビルマ平和記念碑で開いた。また、遺族会が寄贈・建設した現地の小学校で子どもたちと交流した。

「母も連れてきたかった」。鹿児島県奄美市の山元孝子さん(82)の父・東幸男さんは1944年8月、ミャンマー北部の野戦病院で亡くなった。32歳だった。山元さんが生まれる前に、男女それぞれの名前と「おなかの子に一目会いたい」との言葉を残し、出征したという。12年前に亡くなった母は「一度は行きたい」と、ミャンマー関連の本をたくさん買い集めていた。山元さんは「父親の知らなかったことを改めて知ることができ、本当に来てよかった。今回が最後というのは残念」と語った。

事業は91年度から始まり、フィリピンや太平洋諸島、中国などの激戦地で実施されてきた。延べ約1万6600人が参加。遺族会は今後、記憶を継承する語り部事業を中心に、旧戦域の次世代との国際交流を拡充したい考えだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕13日、ミャンマー中部バゴーで追悼の言葉を述べる山元孝子さん(手前)(日本遺族会提供)

2026年03月16日 08時03分


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