対イラン圧力場当たり的=カーグ島空爆、艦船派遣求め―泥沼化に焦り・トランプ米政権



【ワシントン時事】トランプ米大統領の対イラン軍事圧力が、場当たり的になっている。石油価格高騰の可能性を顧みず、ペルシャ湾に浮かぶイラン最大の原油積み出し拠点「カーグ島」を空爆。要衝ホルムズ海峡の航行再開に向けて日本などに艦船派遣の協力も求めた。戦争の泥沼化リスクへの焦りも見える。

トランプ氏は15日、記者団に対し、「(米国が)今立ち去れば(イラン)再建には10年を要するだろう。だが、戦闘終結は宣言しない」と、早期停戦に応じない姿勢を鮮明にした。作戦が「間もなく終わる」という自身の発言を翻した形だ。

米軍は13日、イランの原油輸出の約9割を担うカーグ島を空爆した。1979年のイラン革命以降、石油市場に甚大な影響を及ぼすことを懸念して歴代米政権が避けてきた「一線」を簡単に越えた。トランプ氏は軍事施設のみを標的にしたと主張するが、「無条件降伏」(同氏)を受け入れないイランへのやみくもな圧力強化は、悪手に打って出たとの見方が強い。

イラン側は、世界の原油輸送の約2割を占めるホルムズ海峡を事実上封鎖している。米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ氏は先週、大統領執務室での会合でケイン統合参謀本部議長に海峡の航行が再開しないことへのいら立ちをぶつけたという。

トランプ氏はこれまで、開戦後に空母派遣を準備していた英政府に「必要ない」と断るなど米軍の圧倒的な力に過剰な自信を示していた。しかし経済を人質に取られると態度を一変させ、日本や韓国を含む同盟国に加え、競争相手の中国まで名指しし、艦船派遣の協力を嘱望している。

消耗戦に引き込もうとするイランに対し、トランプ氏は「有志連合」を結成して局面打開を図る思惑だが、現時点で主要国は前向きな反応を見せていない。作戦の行き詰まりで戦力を逐次投入する事態に陥れば、戦争が泥沼化する恐れがある。

複数の米メディアによると、米軍は長崎県の佐世保基地に配備する強襲揚陸艦「トリポリ」に加え、沖縄県に駐屯する即応部隊「第31海兵遠征部隊」2500人の中東派遣を決定した。1~2週間で周辺海域に到着し、カーグ島やホルムズ海峡周辺の離島制圧への活用が取り沙汰されている。

【時事通信社】 〔写真説明〕トランプ米大統領=15日、ワシントン(ロイター時事) 〔写真説明〕ペルシャ湾にあるイラン最大の原油積み出し拠点「カーグ島」の衛星写真=7日(欧州宇宙機関提供)(AFP時事)

2026年03月17日 07時04分


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