
【ワシントン時事】トランプ米大統領が17日、イランによる事実上の封鎖が続く原油輸送の要衝ホルムズ海峡への艦艇派遣に消極的な同盟国に対して逆上した。SNSに「われわれは彼らを守るが、彼らはわれわれが助けを必要とする時に何もしない」と投稿。場当たり的に発した支援要請に賛同を得られず、国際的な孤立が浮き彫りとなっている。
「彼がこんなに怒っているのは今まで見たことがない」。共和党重鎮のグラム上院議員は17日、トランプ氏との電話後、SNSにこうつづった。トランプ氏は記者団の前でも「(同盟国に)失望した」とまくし立てた。
トランプ氏はその前日、英国とフランスから協力を得られると主張していた。しかし、マクロン仏大統領は17日、「われわれは紛争当事国ではなく、現況でホルムズ海峡の封鎖解除作戦に参加することは決してない」と表明。この発言に、トランプ氏は「彼はもうすぐ退任する。知らない」と吐き捨てるように語った。
スターマー英首相に対する批判も記者団の前でぶちまけた。同席したアイルランドのマーティン首相が思わず「彼(スターマー氏)は誠実な人物で、あなたとも良好な関係を築けるはずだ」とたしなめるほどだった。
トランプ氏はそもそも、対イラン軍事作戦開始に当たって同盟国と事前協議せず、理解を得る努力すらしなかった。今月7日には空母派遣を準備する英国に「必要ない」と言い放ち、「われわれが既に勝利した後に戦争に加わる連中」と嘲笑していた。
1月にはデンマーク自治領グリーンランドを巡って北大西洋条約機構(NATO)同盟国を繰り返し侮辱したばかり。米軍の力に陶酔し、同盟国を軽視し続けてきたトランプ氏の突然の要請に、欧州では真意を測りかねる向きも多かった。
トランプ氏は最近、一段と怒りっぽくなっている。15日夜にはSNSで、連邦最高裁や連邦準備制度理事会(FRB)などに対する長文の非難を相次いで投稿。記者団とのやりとりでも主要メディアの戦争報道に不満をあらわにしている。原油価格の天井が見えず、戦争の早期終結の道筋も不透明となる中、感情の制御が難しくなっているもようだ。
◇艦艇派遣要請に関する主な反応
【日本】自衛隊派遣は現時点で予定していない。どのような対応が可能か、法的観点を含めた検討を行っている。(18日、高市早苗首相)
【韓国】韓米両国間で緊密に意思疎通を行い、慎重に検討した上で判断していく。(15日、大統領府関係者)
【中国】外務省会見で明確な言及なし。
【フランス】現況で海峡の封鎖解除作戦に参加することは決してない。(事態が沈静化すれば)他国と共に護衛の責任を引き受ける用意はある。(17日、マクロン大統領)
【英国】これはNATOの任務ではなく、これまでに想定されたこともない。(16日、スターマー首相)
【ドイツ】強力な米海軍ができないことを、一部の欧州艦でどうしてできようか。これはわれわれの戦争ではない。(16日、ピストリウス国防相)
【オーストラリア】ホルムズ海峡に艦艇を派遣することはない。要請は受けておらず、われわれが貢献することでもない。(16日、キング交通担当相)
【欧州連合(EU)】(EUの軍事的)任務をホルムズ海峡まで拡大すべきかという議論を要求する加盟国はない。この戦争に積極的に参加したいとは誰も思っていない。(16日、カラス外交安全保障上級代表=外相=)。
【時事通信社】
〔写真説明〕トランプ米大統領=17日、ワシントン(AFP時事)
2026年03月18日 20時32分