NATOけん制強める=首脳会議前にトランプ氏―負担増、駐留米軍見直し



【ワシントン時事】トランプ米大統領は、トルコの首都アンカラで7、8両日に開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前に、加盟国の防衛費増額を強く求めている。米イスラエルの対イラン軍事作戦で生じた米欧の亀裂がさらに深まれば、今後の欧州駐留米軍の態勢見直しに影響する可能性がある。

「米国はどの国よりもNATOに多くの資金を費やして加盟国を守っているが、そうすることで何の利益も得ていない」。トランプ氏は2日、SNSにこう投稿し、改めて不満を漏らした。

トランプ氏のNATO批判は、イラン攻撃への対応を巡ってさらに増幅された形だ。欧州主要国は作戦支持に消極的な姿勢を示し、イタリアやスペインは基地使用を拒否した。トランプ氏はこれに猛反発し、「NATO脱退」にも言及している。

トランプ政権は、NATO加盟国が昨年の首脳会議で合意した防衛費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる約束を果たすよう要求。今回の首脳会議で各国の進展状況を確認したい意向だ。

さらに通常兵力での防衛は欧州に任せ、米国は核兵器による「拡大抑止」を中心に担う構想を描いている。ヘグセス国防長官は6月18日にブリュッセルで演説し、6カ月以内に欧州駐留米軍の態勢を見直すと発表。「これは本物の見直しだ」と警告した。

ただ、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ヘグセス氏は演説で、昨年のルーマニア駐留部隊縮小などに加え、さらに欧州から米軍を削減する用意があると発言する計画だったが、ルビオ国務長官らとすり合わせした結果、この案は却下された。政権内では、削減幅など態勢見直しの進め方について一致した結論は出ていないもようで、トランプ氏のNATOに対する姿勢に左右されかねない。

専門家からも欧州駐留米軍の削減は不可避と主張する声が上がっている。シンクタンク「平和外交研究所」のスマントラ・マイトラ氏は「実現可能なのは(米欧の)負担分担でなく、(欧州への)負担移転だ」と指摘。米国は中国抑止のためアジアに重点を置く必要があると主張する。核兵器や海軍を除き、米軍の大部分を撤収させ「兵たんなどは欧州が負担するべきだ」との見方を示した。

【時事通信社】 〔写真説明〕4日、ワシントンで演説するトランプ米大統領(EPA時事)

2026年07月06日 19時28分


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