国や自治体が運営する全国13の戦争関連施設が1日、東京都内で合同記者会見を開いた。戦後80年の節目に合わせ、来館者数の確保や戦争体験者の減少などの課題解決に向けた今後の活動方針を発表。発信力強化のほか、各施設の展示品や証言記録を組み合わせた学校向けコンテンツの提供、学芸員間の相互協力体制の構築などに取り組む。
会見には2023年に発足した「全国関連施設ネットワーク会議」に参加する舞鶴引揚記念館(京都府舞鶴市)や知覧特攻平和会館(鹿児島県南九州市)などの代表者13人がオンラインを含めて出席した。
同会議発足を呼び掛けた平和祈念展示資料館(東京都新宿区)の増田弘館長は会見で「単館による活動には限界があり、高齢化で語り部に依存することは難しい状況だ」と指摘。「各施設がそれぞれ持つ利点を相互に紹介し、平和学習に役立つ体制づくりをしていきたい」と話した。
同館では13施設の活動を紹介するパネル展を13日まで開催している。入館料は無料で、休館日の月曜を除き、開館時間は午前9時半~午後5時半。同館の担当者は「戦争関連施設の来館者はシニア世代が多い。事業を維持するためにも、来館者の若返りが必要だ」と期待を込めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見する平和祈念展示資料館の増田弘館長(左)=1日午後、東京都新宿区
2025年07月02日 07時03分