米国務長官がイスラエル訪問=ガザ和平「最優先」で高官次々―トランプ政権、西岸併合の動き非難



【カイロ時事】ルビオ米国務長官は23日、イスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相との会談で、米国が主導するパレスチナ自治区ガザでの和平案に関して協議した。この日までイスラエルを訪問していたバンス米副大統領と入れ替わる形となり、停戦崩壊を危惧するトランプ米政権によるてこ入れが続いている。

ルビオ氏は会談後、記者団に対し「大きな成果が待ち受けている。困難が伴うが、到達できると確信している」と述べた。ネタニヤフ氏は「安全保障の課題があるが、協力して対処できる」と語った。

トランプ米政権は今週、バンス氏の前にウィトコフ中東担当特使やトランプ大統領の娘婿クシュナー氏もイスラエルに送り込んでいる。ルビオ氏はトランプ氏がガザ情勢を「最優先事項」に位置付けていると強調した。

イスラエルとイスラム組織ハマスは和平案「第1段階」で合意した。しかし、双方が合意違反を主張し、交戦も発生。イスラエルはガザに空爆を加え、停戦崩壊の懸念が高まった。

米国には停戦を維持し、ハマスの武装解除や国際部隊の展開など和平案を次の段階に進めたい思惑がある。イスラエル紙ハーレツによると、米高官はイスラエルに対し、合意を危険にさらす行為は容認しないと明言。仮に攻撃を余儀なくされても、米側に通知するようイスラエルに求めているという。

一方、イスラエル国会で22日、占領地ヨルダン川西岸に主権を適用する法案の予備的な採決が行われた。バンス氏はイスラエルを離れる直前、こうした「西岸併合」を目指す動きに関し「愚かな政治的行為だ」と非難した。

法案は野党の極右議員が提出した。ネタニヤフ氏は「(米国との)不和をあおる」ことが狙いだと訴え、同氏が党首を務める与党リクードは一人を除き投票を棄権した。法案成立にはさらに3回の採決が必要で、法制化は難しいとみられる。トランプ氏は23日に公開された米誌タイムとのインタビューで、「(西岸が併合されれば)イスラエルは米国のあらゆる支持を失う」と警告した。

【時事通信社】 〔写真説明〕23日、エルサレムで会談したルビオ米国務長官(左)とイスラエルのネタニヤフ首相(AFP時事)

2025年10月24日 15時21分


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