ベネズエラの石油利権奪取=米、マドゥロ氏拘束から1週間



【ワシントン、サンパウロ時事】トランプ米政権が南米ベネズエラを攻撃し、独裁色を強めていた反米左派マドゥロ大統領を拘束してから10日で1週間。米国は強大な軍事力を背景に石油利権を奪取し、ベネズエラを「統治」する動きを加速させている。一方、ベネズエラではマドゥロ氏側近がトップに座る暫定政権が発足し、米国との関係改善を模索している。

米軍の攻撃は現地時間3日未明に始まった。首都カラカスなど各地を爆撃したほか、大統領公邸に乗り込んでマドゥロ氏と妻を拘束し、米国に移送した。マドゥロ氏は米国で麻薬密輸などの罪で起訴され、5日には米ニューヨークの連邦地裁に出廷。罪状認否では無罪を訴えた。

トランプ大統領は、暫定政権を「われわれの意向に従わなければ、再攻撃する」と脅し、石油タンカーを新たに拿捕(だほ)するなど圧力を維持。同時に、埋蔵量が世界最大とされるベネズエラの石油資源を米石油大手が開発し、世界に販売すると主張している。

ベネズエラでは副大統領だったロドリゲス氏が暫定大統領に就任。米国の制裁対象となっている原油を米側に引き渡し、農産品や医薬品の輸入を持ち掛けるなど、トランプ氏の歓心を買うことで四半世紀続く「21世紀の社会主義」体制の延命を図っている。

一方で、2024年のベネズエラ大統領選で西側諸国が勝利を認定した野党統一候補ゴンサレス氏(スペイン亡命中)の帰国のめどは立っていない。トランプ氏は8日のFOXニュースのインタビューで、昨年ノーベル平和賞を受賞した野党指導者マチャド氏と来週会談する意向を明らかにしたが、大統領選の早期実施には慎重な姿勢だ。

一国の大統領を首都から拉致した攻撃を巡っては、米国内外から国際法違反だとの批判が相次いでいる。しかし、トランプ政権は「ベネズエラとの戦争ではない。法執行作戦だった」と強弁。トランプ氏はさらにデンマーク領グリーンランドの領有にも野心をむき出しにしており、国際社会とのあつれきは強まっている。

【時事通信社】 〔写真説明〕ベネズエラ国営石油会社PDVSAの製油所の煙突=2021年11月、北部プエルトラクルス(AFP時事)

2026年01月10日 07時10分


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