対中南米、戦略再考も=ベネズエラに浸透の中国



【北京時事】中国共産党政権は近年、資源確保や政治的影響力の拡大を狙い、米国の「裏庭」とも呼ばれる中南米地域への浸透を図ってきた。しかし、トランプ米政権が域内で中国と強固な関係を築いてきたベネズエラを攻撃したことで、習近平政権は戦略の再考を余儀なくされそうだ。

◇大規模融資、返済拒否の恐れ

「深い衝撃を受けた」。中国外務省は3日、米軍によるベネズエラのマドゥロ大統領拘束を受け、報道官談話でこう述べた。マドゥロ氏は拘束される数時間前に中国の特使と対面していたとされ、習政権は米軍の作戦を想定していなかったとみられる。

中国がベネズエラと関係を深めたのは2000年代以降。反米左派のチャベス、マドゥロ両政権下、巨額の資金援助をてこに石油利権を獲得していった。米シンクタンク「スティムソン・センター」の調べによると、07~16年の中国の対ベネズエラ融資は625億ドル(約9兆8000億円)。同国は世界最大の中国融資受け入れ国になった。

ただ、今後は対ベネズエラ関係の軌道修正を迫られる可能性が高い。中国人民大の崔守軍教授はメディアで、暫定政権が米国の意向に従い中国への債務返済を拒否したり、中国企業との契約を無効化したりする恐れがあると指摘する。中国への未払い債務は約200億ドル(約3兆1000億円)と報じられている。

また、米国の報復を恐れる中南米各国による連鎖的な「中国離れ」も懸念材料だ。習政権として、各国への経済援助や開発協力に慎重にならざるを得ないだろう。

【時事通信社】 〔写真説明〕中国の習近平国家主席(右)と握手するベネズエラのマドゥロ大統領=2025年5月、モスクワ(AFP時事)

2026年01月10日 20時24分


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