
【ニューヨーク時事】米軍に拘束されたベネズエラのマドゥロ大統領は、麻薬テロ共謀などの4件の罪で起訴されている。5日に米東部ニューヨークの連邦地裁に初出廷した際には全てで無罪を主張。今後、国家元首としての地位や拘束の合法性が争点になるとみられる。
マドゥロ氏は2020年に▽麻薬テロ共謀▽コカイン密輸共謀▽機関銃と破壊兵器の所持▽およびその所持共謀―の4件で米国内で起訴された。
今月3日の拘束後に司法省が公開した差し替えの起訴状では、マドゥロ氏が長年にわたって麻薬カルテルを支援し、米国へのコカイン密輸を共謀してきたほか、その目的のために武器を所持してきたと指摘。うち3件の罪状について、マドゥロ氏と共に拘束された妻フローレス氏が新たな起訴対象に含まれた。米メディアは有罪となった場合、終身刑もあり得ると報じている。
5日の出廷時、マドゥロ氏は自身の身分について「ベネズエラの大統領」と明言。弁護側は国家元首としての地位を根拠に異議申し立てを行う可能性を示しており、「軍事的な拘束」の合法性についても争う姿勢を見せている。
国際法では国家元首の免責が定められており、ベネズエラのサーブ検事総長もこれを根拠にマドゥロ氏の釈放を求めている。しかし、米国は2019年以降、選挙で不正があったとしてマドゥロ氏を国家元首として認めていない。
1990年に同じく米軍に拘束され、麻薬密輸の罪に問われたパナマの独裁者ノリエガ将軍(当時)は免責されず、当初40年の禁錮刑が言い渡された。今回の起訴状には「現在の事実上の統治者」との記述もあるが、元首であることが認定されるかどうかが大きな争点になるとみられる。
次回のマドゥロ氏の出廷は3月17日に設定されているが、証拠開示などの公判前手続きを経て、実際の裁判開始までには数年かかると指摘するメディアもあり、長期化が予想される。
【時事通信社】
〔写真説明〕米連邦地裁に出廷したベネズエラのマドゥロ大統領(前列左)とフローレス夫人(同右)の法廷内スケッチ=5日、ニューヨーク(AFP時事)
2026年01月10日 07時17分