同性婚、全国で2万5800組=「結婚平等法」施行1年―タイ



【バンコク時事】東南アジアで初めて同性婚を認めたタイの「結婚平等法」は23日、施行から1年を迎える。昨年末時点で2万5814組の同性カップルが婚姻届を提出。首都バンコクに加え、全国76県のすべてで受理されており、制度の普及が全国的に進んでいる。当事者からは「権利が等しく保障された」「家族が受け入れてくれた」と喜びの声が上がっている。

結婚平等法は、同性婚を可能とするために改正された民商法の通称で、2024年に国会で可決、公布された。従来の「夫」「妻」は「婚姻の当事者」「配偶者」、「男性」「女性」は「個人」に表記が変更された。これに伴い、同性カップルも「配偶者」としてパートナーの医療行為への同意、養子縁組、財産相続などが可能となった。

バンコク在住の女性インフルエンサー、ナッニチャーさん(40)は6年間の交際を経て、会社員のケビンさん(32)と結ばれた。ケビンさんは性自認は男性、法律上は女性のトランスジェンダーだ。

結婚前、母親からは「普通の男性と付き合って家庭を持ちなさい」と言われ、家族の理解を得られず悩んでいた。しかし結婚を機に、母親の態度が変わったという。今年1月には母親と共に初めてケビンさんの実家を訪れ、家族として時間を過ごした。ケビンさんは「家族に受け入れられることは、この上なく素晴らしいことだ」と笑顔を見せた。

現在、2人はナッニチャーさんの前夫との息子(19)と3人で生活している。ただ、タイの法律では、養子縁組を希望する者は、子どもより15歳以上離れていることが条件となっている。このため、ケビンさんが13歳年下の息子を養子にすることは認められていない。息子はケビンさんを「パパ」と呼び慕っているが、法的な親子関係は成立していない。

ケビンさんと息子だけが在宅している時にどちらかが病気や大けがをした場合、家族として救急医療行為への同意ができないなどの不安が残る。「息子もケビンさんもお互いを受け入れている。養子縁組ができるよう推進していきたい」。ナッニチャーさんは今後、仲間と共に政府に例外規定を設けるよう働き掛けるつもりだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕取材に応じるケビンさん(左)とナッニチャーさん=8日、タイ・バンコク

2026年01月23日 08時29分


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