
捜査員が架空の身分証を使い闇バイトに応募する「仮装身分捜査」について、警察庁は29日、昨年12月末までに全国で13件実施したと明らかにした。強盗予備や詐欺未遂の容疑で計5人の逮捕につなげたという。同庁幹部は「被害の未然防止など一定の成果があった。ノウハウを各警察で共有し、活用の練度を高めていきたい」と話した。
仮装身分捜査は強盗や特殊詐欺などを対象に、警察官がSNS上の犯罪実行役募集に応募。事前に個人情報を要求されることが多く、その際に実際と異なる名前や住所、加工した顔写真が載った運転免許証やマイナンバーカードなどを用意して接触を図り、雇われたふりをする。
実行役らの摘発や、闇バイトの募集を難しくさせるのが狙いで、警察庁は昨年1月に実施要領を公表した。
同庁によると、13件のうち、架空の身分証を提示し、犯罪グループから集合場所など具体的な指示を受けたケースは7件だった。残り6件は身分証の画像を送り、匿名性の高い通信アプリなどでやりとりをする途中で連絡が途絶えたという。
指示を受けた7件中3件は犯罪グループと接触できなかったが、残り4件で現場に現れた計5人を逮捕。内訳は警視庁が昨年5月に1人を逮捕した事件など特殊詐欺が3件3人、強盗を計画した事件が1件2人だった。
警察庁は対策を取られる恐れがあるとして、事件の詳細は公表していないが、同庁幹部は「詐欺の電話を受けていた人に連絡するなどして全てで被害を防止できており、一部は突き上げ捜査で別の関係者の逮捕にもつなげた」と成果を語る。
【時事通信社】
〔写真説明〕警察庁=東京都千代田区
2026年01月29日 10時38分