
36年ぶりに2月の投開票となる衆院選。豪雪地帯では、自治体の選挙管理委員会がポスター掲示板周辺の積雪に気をもみ、候補者側は天候をにらみつつ選挙運動の計画を立てる。受験生からは「なぜわざわざこんな時に」との声も上がる。
大雪が続く青森市の選管は、委託業者による除雪が間に合わず、掲示板の設置場所を昨年夏の参院選より160カ所減らした。北海道和寒町の選管は、降雪時には掲示板が埋まっていないか見回る予定だ。担当者は「寒さより雪が問題。一番厳しい時期にやらなくても…」とこぼす。
影響は投開票日当日にも。福島県南会津町は投票所30カ所のうち、12カ所で投票を1時間繰り上げる。4町村が合併した同町には開票所まで峠道を通る遠方の投票所もあり、積雪時はさらに時間がかかる恐れがあるためだ。担当者は「初めての対応だが、周知して影響を抑えたい」と話す。
自治体はこの時期、来年度の予算編成で多忙を極める。6日に震度5弱の地震があった鳥取県南部町では、住宅の被災確認作業も重なる。除雪要員が確保できず、山間部をバスで回る移動期日前投票所は取りやめた。町選管の田村誠事務局長は「今回の準備は非常に厳しい」と語った。
北海道6区(旭川市など)で立候補した新人陣営の担当者は「氷点下15度での選挙は経験がない」とため息をつく。窓から手を振ると凍傷の危険性があり、暴風雪の場合は選挙カーによる呼び掛けの中止も検討している。「有権者からは『なぜ冬に選挙をするのか』との怒りの声も届く」と打ち明ける。
戸惑いの声は受験生らからも。東京都内で今月、大学入学共通テストを受けた都立高3年の佐々木愛果さん(18)=練馬区=は「若者の意見を聞いてほしい」と投票に行くつもりだ。ただ、選挙カーの騒音は気になる。「受験生にとって一番大事な時期。選挙は受験後にしてほしかった」と本音を漏らす。
受験生の娘がいる都内の50代の公務員男性は「娘に『選挙に行け』とはとても言えない」と胸の内を明かす。受験生にとって一番大事な時期に勉強に集中してほしいからだ。「今回の衆院選は、娘たちの世代にとって政治参加する入り口。それがないがしろにされている」と憤った。
【時事通信社】
〔写真説明〕雪に埋もれた衆院選の候補者ポスター掲示板=24日、青森市
2026年01月31日 07時17分