
【バンコク時事】ミャンマーで国軍がクーデターで実権を握ってから、2月1日で5年。国軍は昨年12月から今年1月にかけてクーデター後初めてとなる選挙を実施し、「民政移管」を演出しようとした。しかし、内戦終結と生活向上を望む市民は将来に希望を見いだせていない。
軍事政権下の選挙管理委員会は1月29日、国軍系の連邦団結発展党(USDP)が上下両院で過半数の議席を獲得したと発表した。国軍が指名する軍人枠と合わせると、国軍系勢力が8割を超える圧勝となった。
「結果は誰もが予想していた」。最大都市ヤンゴンのタクシー運転手ウィンアウンさん(55)はそうつぶやいた。「文民政権が統治していると世界にアピールしたいだけだ。軍人が制服を脱いだだけだと誰もが知っている」と冷ややかだ。船員コートゥーさん(45)は投票に行かなかったといい、「国軍に何を期待できる?
何も変わらない」と話した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、内戦と昨年3月のミャンマー地震により、360万人が避難生活を余儀なくされている。国軍が少数民族武装勢力や民主派と戦闘を続ける中、経済状況の悪化も相まり、1600万人以上が人道支援を必要としていると推定される。
しかし、米国の対外援助機関である国際開発局(USAID)の解体が支援の現場に影を落としている。ミャンマーの人権支援団体と連携する日本の支援団体の担当者は「多くの支援要請が来ているが、USAIDが撤退し、資金は潤沢ではない」と漏らす。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのアジア調査員は「クーデターから5年、ミャンマーの人権・人道危機は、外国からの支援と関心の減少に直面している」と語っている。
【時事通信社】
〔写真説明〕ミャンマー国軍と少数民族武装勢力の戦闘で避難を余儀なくされた女性=2025年9月、中部マンダレー(AFP時事)
2026年02月01日 07時17分