
【バンコク時事】2月8日投開票のタイ下院(定数500)総選挙まで1月29日であと10日となった。アヌティン首相率いる少数与党「タイの誇り党」と、革新系最大野党「国民党」による第1党争いは激しさを増している。ただ、いずれも過半数の獲得は難しいとみられ、新たな連立政権樹立に向けて紆余(うよ)曲折が見込まれる。
現地メディアによると、予想獲得議席数はタイの誇り党が140~150議席、国民党が120~130議席で続く。下院解散前に約70議席だったタイの誇り党は、保守派政党や各地域の有力政治家を候補者に擁立。隣国カンボジアとの国境紛争に対するアヌティン政権の強硬姿勢が愛国心の受け皿となり、支持を拡大していると専門家は分析する。
一方、国立開発行政大学院(NIDA)が11日に公表した世論調査では、首相にふさわしい人物として国民党のナタポン党首が24.8%で1位、アヌティン氏が20.9%と続いた。
国民党は、王室への不敬罪を定めた刑法の一部改正を公約に掲げ、憲法裁判所から2024年に解党処分を受けた前進党の後継政党。政治体制や既得権益の改革を訴える。首都バンコクで25日に開かれた国民党の集会に参加した無職ウィスさん(69)は「社会に根付いた汚職や縁故主義の解決において、国民党は優れた成果を挙げている」と語った。
3番手とみられているのが、タクシン元首相派の「タイ貢献党」だ。現地メディアは同党が約100議席を獲得し、選挙後の連立協議でキャスチングボートを握る可能性があるとみている。
タマサート大学のプンラウィット講師(政治学)は「競争は非常に熾烈(しれつ)だ。3党の得票数、議席数の差はそれほど大きくないだろう」と話す。
今回は総選挙に合わせ、憲法改正の是非を問う国民投票も実施される。
【時事通信社】
〔写真説明〕タイの与党「タイの誇り党」党首のアヌティン首相(右)と最大野党「国民党」のナタポン党首(EPA時事)
2026年01月29日 08時12分