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事故防止と被害者支援続ける=信楽鉄道事故30年―元TASK共同代表



滋賀県信楽町(現甲賀市)で1991年5月、信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車が正面衝突し、42人が死亡した事故は14日、発生から30年を迎えた。遺族らが事故調査の充実を目指して設立した民間団体「鉄道安全推進会議」(TASK)は2019年に解散したが、共同代表を務めた兵庫県明石市の歩道橋事故遺族の下村誠治さん(62)=神戸市垂水区=は「被害者に節目はない。思いを引き継ぎ、事故防止と被害者支援の活動を続ける」と話す。

TASKは遺族で初代会長の故臼井和男さんや2代目会長の故吉崎俊三さんらが93年に設立。01年の国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)発足に結び付けた。

歩道橋事故で2歳だった次男を失った下村さんが臼井さんや吉崎さんと出会ったのは事故2カ月後の01年9月。食事を十分取れない日々が続く中、遺族会活動の参考にしようと、TASKの会議に出席した。「2人から弁当を出され、『食べないと闘えないぞ』と励まされたことが忘れられない」と振り返る。

その後、事故現場での碑の建立や遺族活動をまとめた本の出版を通じて2人と交流を深めた。「裁判で分かることは一部にすぎない」と、被害者が当事者から直接説明を受けることの大切さを教わったという。

臼井さんが死去した05年にJR福知山線脱線事故が発生。吉崎さんは「自分たちの活動は無駄だったのか」と悲しんでいたという。下村さんは高齢となった吉崎さんを支えて国に被害者支援を求める活動に取り組み、国交省は12年、「公共交通事故被害者支援室」を設置した。

「吉崎さんが福知山線事故や中華航空機墜落事故などの遺族とネットワークを作っていたことが大きな礎となった」という下村さん。自身も支援室設置に向けた信楽鉄道事故遺族のヒアリングを担当し、「遺族に与えた事故の傷痕の深さを感じた」と語る。

18年に吉崎さんが亡くなり、遺族の高齢化や減少でTASKは解散。事故から30年で風化も懸念されるが、下村さんは「風化の責任は被害者にはない。事故を起こした当事者が取り組みを続けることが再発防止につながる」と訴える。

【時事通信社】 〔写真説明〕明石歩道橋事故現場の慰霊碑を訪ねる元TASK共同代表の下村誠治さん=4月25日、兵庫県明石市

2021年05月14日 00時24分


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