世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を巡り、東京地裁(鈴木謙也裁判長)は22日、国と教団側双方の主張を聞く審問を非公開で開いた。昨年10月の請求後、審問が開かれたのは初めて。田中富広会長が出席し、「公正な判断をお願いしたい」などと意見陳述した。
審問後、取材に応じた教団側代理人の福本修也弁護士によると、田中会長は「信者からの献金は国内外での伝道、宣教などに使っており、献金の受領は宗教活動の一環に他ならない」と陳述。教団を「不法行為などによる財産獲得の受け皿」とする文部科学省の主張に反論した。
岸田文雄首相が教団との関係断絶を発表したことについては、「思想信条による差別で憲法に反する」と批判。安倍晋三元首相銃撃事件の被告の願い通りに教団の解散を目指すのは「極めて異常な事態と言わざるを得ない」と述べた。
宗教法人法は、法令に違反して著しく公共の福祉を害したり、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたりした場合などには、裁判所が宗教法人の解散を命令できると定めている。
違反したとする具体的な法令の特定がなく、請求は根拠を欠くとの教団側主張に対し、国側は審問で、民法上の不法行為が根拠だとする従来通りの見解を示したという。
【時事通信社】
〔写真説明〕取材に応じる世界平和統一家庭連合(旧統一教会)代理人の福本修也弁護士(中央)ら=22日午後、東京都千代田区
2024年02月22日 20時11分