
オーストリア南部の山あいで農家にペットとして飼われている牛が、デッキブラシを孫の手のように使い、体のかゆい所をかく様子が観察された。ウィーン獣医科大の研究チームが論文にまとめ、28日までに米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。
この牛は乳牛兼肉牛のブラウンスイス種で、「ベロニカ」と名付けられた13歳の雌。時々、長い棒をくわえて体をかいているのを飼い主は10年以上前から知っていたが、最近になって友人が動画を研究チームのメンバーに送ったことから、科学的な調査が行われた。
ベロニカの前の地面にデッキブラシを置くと、口でくわえて背中側はブラシ部分を当ててごしごしとかき、腹側の柔らかい皮膚には棒の先を当ててやさしくかいた。器用に使い分ける様子に研究チームは驚いたという。
論文は、ベロニカがペットとして恵まれた環境で長生きし、自由にさまざまな物に触れる生活を送っているため、道具として使いこなせるようになったのではないかと考察。家畜にされる動物では、こうした能力がこれまで科学研究の対象にされにくかったと指摘している。
〔写真説明〕デッキブラシをくわえ、体のかゆい所をかくペットの牛「ベロニカ」。ブラシ部分と棒の先を器用に使い分けている(ウィーン獣医科大提供)
2026年01月28日 15時18分